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  • 執筆者の写真プラナビ編集部

木村工務店物語


―きむらこうむてんものがたりー




職人や協力会社あっての家づくり

どの工務店も想いは同じで、トップインタビューでは誰もがこうした内容のお話をされます。

ただ、ホームページを拝見しただけで「職人や協力会社を本当に大切にされているんだなあ」と実感できた会社、それが木村工務店でした。

同社のホームページは見ているだけで楽しい。

三代目にあたる木村貴一(きむら・たかいち)社長は「次々と足していったら、こうなってしまいました」と笑っておられましたが、まるでワンダーランドに入りこんだよう。

物語風の会社ヒストリーを始め、ひねりの利いた社員紹介やイベント紹介・メンバーブログに社長ブログなど盛沢山の内容ですが、中でも協力会社を愉快なイラストで紹介しているコーナーは、見ているこちらが思わず笑顔になる暖かさがあります。


現社長の祖父である創業者の時代から職人や協力会社の皆さんと一緒に旅行に行くなど関係を築いてきたそうで、木村社長は「慣れ合いになってはいけませんが、チームとして仲間意識を共有できないと優れた建築はできないのです」と強調されていました。





見積りは技術である

設計者の描く図面に個性があるように、工務店の作成する見積書も実に千差万別。

木村工務店は見積りが丁寧かつ精緻なことで有名で「設計図と見積書は家をつくる両輪であり、両者が完璧なハーモニーを奏でてこそ優れた建築が生まれる」との考えから「見積りは技術力の反映である」と捉えて、見積る力を磨いてきました。

実に丁寧でキメ細かな見積書を作成するので「他社と比べて最安値になることは少ないけれど、建築家から施主さんに至るまで、誰もが納得かつ安心して頂ける自信があります」と言い切れるのが大きな強みです。

80点から100点、その20点に家づくりの醍醐味がある

社長のご子息で木村工務店四代目でもある貴徳氏は、建築家・槇文彦氏の下で修行を積んだ後、木村工務店で設計に携わっています。

建築家とのコラボ案件と並行して自社の設計施工も多いので、家をつくる両輪の一つである設計力の向上に力を注いでいるのです。

建築家とのコラボに自社設計、いずれも注文住宅を基本に据える同社ですが、ハウスメーカーの良さも認めています。

「ハウスメーカーの家も良い点がたくさんあります。間違いなく80点のものができるという安心感もありますしね」


ただ「残りの20点にこそ家づくりの真の醍醐味があり、同時に80点を限りなく100点に近づけようとするがゆえの苦しさもあるのですが、それをやれるのが自分達工務店なんだというプライドを持って仕事をしています」との発言に同社の矜持を感じます。

80点を100点にする家づくりは工務店や建築家に任せておけばできる訳ではありません。



「家づくりは、職人や協力会社だけでなく施主さんとの協働作業でもありますから、施主さんには当社設計部の一員になってもらったつもりで一緒に家づくりを徹底的に楽しんで頂きたい。 自ら進んで家づくりに参加頂くことが、80点から100点に近づける大切な道筋の一つなのです」  正にその通りだと納得です。


これからも地元と共に歩み続ける工務店として

80年以上の長きにわたって地元を中心に仕事を続けてきた木村工務店にとって、わざわざ口に出さずとも「施主さんはもちろん、協力会社・職人の誰もが納得し満足してくれることで、次の仕事・その次の仕事へとつながってきた」のは自明のこと。

周囲への想いは、オフィスの一部を「まちのえんがわ」と名づけて、ステンドグラス制作や椅子づくり・タイル貼などのワークショップを定期的に開催して街の人々にモノ作りを体験してもらうスペースとして開放するなど、地元への恩返し活動にも表れています。



「4代・5代、さらにその先へと続く工務店でありたい」と言う3代目・木村社長の目線の先に、施主を始めとする多くの関係者の姿が映っていることが伝わってくるのは、それだけ地に足のついた仕事をされているからなのでしょう。

上品な大阪弁を意味する「はんなり」という言葉が似合う木村社長の話しぶりからも、その誠実な人柄がひしひしと伝わってきました。


家を”買う”ものから"創る"ものへ

プラナビ編集部 上野

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