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  • 執筆者の写真プラナビ編集部

水雅物語

更新日:2020年3月17日

-すいがものがたり-


阿佐ヶ谷で工務店を経営する水雅(すいが)社長の田代 浩二(たしろ・こうじ)さんは、大工として工務店で6年程勤め上げ独立を考えた時、昔から好きだった “雅(みやび)” という言葉を使った社名にすることに決めました。


雅という言葉に自然物の水を合わせ、“水が染み渡るようにひろげたい”という想いを社名に込めたと言います。


広島出身の田代さんが阿佐ヶ谷に辿り着いたのは、上京時のきっかけである音楽活動から。

「(隣町の)高円寺でバンド活動と一緒に大工をしていたら、いつの間にか大工が本業になってしまった。」と笑いながら言う田代さん。

そう言いながらも、大工さんに小学生の頃から憧れていたという田代さんが工務店を営んでいるのは自然な流れなのかもしれません。

          

大工になってからどんな時も「“丁寧につくる“、丁寧になんでもしていく」ことを大事にしてきたと田代さんは言います。

「これ以上やりきったって思っていればなにがあっても、これ以上は無理ですと言える。

手作りって既製品と違って一点物、それぞれの欠陥がでてしまう。木が反ってしまったり、量産しているからではないからこその限界がある。二度とないもの。だからこそ、丁寧に作らないと後悔する。(田代さん)」

         事務所に飾られている田代さんの昔の大工道具たち



身近な地域の仕事がしたいと阿佐ヶ谷の地に大工として寄り添い続けて14年。

昨年からは、より地域の人たちとの輪を広げられるよう、事務所横でのコミュニティスペース「いんにっさん」の運営が始まっています。


どうやったらもっと阿佐ヶ谷の人たちと繋がれるのかと考える中で、水雅事務所の横が空き物件になったことからたまたま生まれたアイディア。工務店ならではのDIYのワークショップやマルシェを開いたりと、阿佐ヶ谷の人が集まる新しい空間が生まれています。

「DIYのワークショップをする中で家に対しての興味を持ってもらうきっかけになれば。」

と田代さん。

水雅運営コミュニティスペース「いんにっさん」でのワークショップでの様子。



また、 “DAIKRAFT“という家具ブランドも水雅のオリジナル商品。

「ぼくら、大工の観点でしか出来ないものがあったら面白いなという部分から始まった。(田代さん)」

大工仕事の中で捨てるだけだった端材たちを活用することも視野に生まれたサスティナブルなブランドはこれからの時代にも、人々の暮らしにも自然となじんでいく優雅さを持ち合わせています。

左写真:[SEI ] DAIKRAFT    右写真:[RIN] DAIKRAFT


どこか従来の工務店とは違う新しさを持つ水雅。これからについてお伺いすると、「関わった人を幸せに出来ればいいな。って考えます。」と田代さん。

ご自宅の施工がきっかけで飲みに行く間柄のご夫婦との関わりの中、二人の人生がどんどんと進んでいくのを横で見ていた田代さんはふとそんな風に思うようになったと言います。


「お客さんの人生がより良くなっていく、なんとなくそういうのがいいなって。”なっていく”のがいい。お客さんだけでなく業者さんも含めて、僕らと一緒に仕事をしていくと楽しいなってより良く拡がっていけば楽しい。家は何十年と長い付き合いのもの。だからこそ関わりを大事にしたい。(田代さん)」


                   

恵みの雨が自然と草花や岩場に染み渡るように、これからも水雅は波紋のように拡がってゆく。それはきっと、自然のなりゆきに任せているようにみせても“どんな時も丁寧に”という確かな覚悟があったからこそ拡がっているのだろうと、田代さんのお話を伺いながら感じました。





家を”買う”ものから"創る"ものへ

プラナビ編集部 鈴木

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