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執筆者の写真プラナビ編集部

あすなろ建築工房物語

更新日:2020年8月28日

―あすなろけんちくこうぼうものがたり



ご自宅をモデルハウスとして公開、メディアご出演、オンラインを活用したノウハウの経営セミナー登壇など、工務店業界内で注目されている方がいます。

横浜を拠点とする あすなろ建築工房 代表取締役 関尾 英隆(せきお・ひでたか)さんです。


セミナーではスマートな印象の関尾さんですが、実際にお会いすると家づくりへの熱い思いにあふれる方でした。


大学院卒業後は設計事務所最大手の日建設計に就職し、東京ミッドタウン(六本木)をはじめとする大型プロジェクトを担当されていました。その一方で週末のプライべート時間を使って知人の住宅設計・施工管理も手掛けるなど並行した活動を行っていたそうです。

やがて住まいづくりに魅かれた関尾さんは、木造の家づくりを基礎から学ぶためある工務店で3年間の修行に入り、その後に設計事務所として独立開業をしました。

ところがある日、そのお世話になった工務店社長の訃報が突然届きます。施工中の案件を進めるため 関尾さんが急遽工務店に戻り社長の代わりを務めることになりました。


結果的に自分の設計事務所とその工務店を統合する形で2009年に あすなろ建築工房 を設立するのですが、その時期は大変なご苦労をされたそうです

「住んでいる方にとって、工務店は永続企業でなければならないと思います。建てた人・会社が無くなる。それは主治医がいなくなることと同じです。例え社長が亡くなっても 永続する工務店であることが必要です」


統合時の引き継ぎでは、ある設計事務所の案件で増えた雨漏り修繕などを徹底的に行いました。

「設計者に蓄積されない、工務店だけが持っているノウハウのあることがわかりました。

またお客様のご不満点を頂けたことは今では貴重な財産になっています」

雨漏りの原因の多くは 日本古来の家づくりに逆らった結果であると言われます。

軒を深く、風通しを良くする。複雑なデザインの時にはコーキングだけではなく二次三次での水受けを行う。

「お客様はデザイン性の高い家を求めていても 雨漏りは求めてらっしゃらない。設計者のエゴではない家づくり。持ちが良く、住みやすく、長く住んでもらえる家。自然に逆らうようなことはせず、かつデザイン性の高い家を目指しています」

軒が無いデザインをご希望のお客様には、日差し、室温上昇、木の反り、劣化進行の速さなどの説明も行うそうです。


「自分の家だったらどうするか? お客さまとの打ち合わせでも 自分ならやるかやらないか、使うか使わないか をベースに進めます。全てを自分の家と思って作る。おのずと答えがでてくる。全てがそこにあると思います」



あすなろ建築工房のコンセプトの一つに「楽しむことを忘れない」というものがあります。担当者も楽しむ、職人さんも楽しむ。これはいい仕事、いい家づくりにつながる大切な考え方だと思いました。


関尾さんに住まいづくりの魅力をうかがいました。


「苦労してやってきたが 本当に楽しい仕事です。何よりもお客様から直接怒られる、直接感謝されるのが家づくりの大きな魅力です」


お客様に育てられ、設立から10年を超えた あすなろ建築工房さん。

これからも永続していく工務店の姿が見えました。



家を”買う”ものから"創る"ものへ

プラナビ編集部


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